強 迫 性 障 害 の 認 知 行 動 療 法
●「強迫性障害」について
 ・ 強迫性障害は「強迫観念」及び「強迫行為」の存在で特徴づけられます。
強迫観念は繰り返し生じ持続する思考、衝動、イメージであり侵入的で望ましくないものとして
体験されます。不安や苦痛などを伴い、汚染、加害、数字や順序、紛失、災害、被害、迷信などの
観念に支配されます。
 ・ 強迫行為は繰り返される行動または、心の中の行為であり、本人はそれを強迫観念に対応して、
あるいは厳密に守らなければならないある決まりに従って行わなければならないように感じています。
DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル(米国精神医学会)より

強迫性障害及び関連障害群: 強迫症/強迫性障害、醜形恐怖症/身体醜形障害、ためこみ症、
抜毛症、皮膚むしり症など
 
[強迫性障害になりやすい性格]
  強迫性障害を世界的に研究している機関(OCCWG)が、6つの特徴を提唱しています。

●完璧主義
  何事にも完璧を求めて行動。完璧に出来なければ不快感に襲われる。

●脅威の過大評価
  小さな心配を重大に受け止める。些細なことでストレスを感じる。

●責任の過大評価
  必要以上に自分の責任を感じる。不祥事が起きた時などは自分を強く責める。

●あいまいさへの不耐性
  白か黒かをはっきりつけなければ気がすまない。

●思考の意味の過大評価
  悪いことを考えていると本当にそうなる確率が高くなると思い込む。

●思考のコントロールへのこだわり
  自分の考えや感情をコントロールできなければ不快感を感じる。
 
強 迫 性 障 害 の 認 知 行 動 療 法 の 流 れ
1. インテーク面接:最初の1〜2回で主訴及び現在起こっている問題やその経緯、既往歴などをお聞きしていきます。症状の理解のための情報収集段階ともいえます。心理・精神症状の問題・対人関係の問題・職業上・学業上の問題・健康の問題・経済的な問題・余暇・娯楽の問題・その他。生育歴や家族関係、学校や職場の状況なども必要に応じて確認していきますが、個人情報の守秘義務に関しては十分配慮されますのでご安心ください。
2. 認知モデルについての心理教育もインテーク面接の中で行います。出来事-自動思考-感情-行動の相互関係を理解し、認知行動療法を進めていく知識を習得していただきます。また、今の状態を知るため、心理テストも実施し、クライエントさんの状態を総括的にアセスメント(査定)していきます。
3. 日々の実生活での状態を把握するため、行動記録表やモニタリングシートを宿題(ホームワーク)として出していきます。これは治療と治療をつなぎ、来談と日常生活を結ぶもので、面接で話し合った事を考えたり、行動してみたりする目的があります。宿題といっても、学校で出されていた気が重いものとは違いますから、安心してください。患者さん一人一人が、より早く回復する上で役に立つ、課題で、具体的な内容は、患者さんと治療者がそのつど無理がないように話し合いながら決めていくものです。
4. クライエントさんの自動思考の特徴的なくせに気づき、その奥にある「スキーマ(信念)」を分析していき、科学的に事実を検証しながら、新しい考え方を見つけていきます。
強迫性障害のクライエントさんは、「過剰な責任感」で発症することが解明されています。その強く過剰な責任感は、「スキーマ」(幼少期に確立した信念)から起こってきます。その「スキーマ」を分析し、修正していく認知療法が強迫性障害でも非常に有効な介入法になっています。
5. 強迫性障害の場合、強迫行為を減衰していく方法として、「曝露反応妨害法」の有効性が実証されています。強迫行為を止めた時の不安階層表を作成していただき、比較的低い段階の強迫行為から順番にその回避衝動と戦っていってもらいます。それを主観的不安尺度に毎回記入していき、だんだん不安が下がっていくことを数値で実感しながら、上の段階に進めていきます。クライエントさんには少し辛い場面もありますが、徐々に克服することにより、治療は進んでいきます。
1〜5のような流れで強迫性障害への介入を進めていきます。


曝 露 反 応 妨 害 法 ( E R P ) と は
● 強迫性障害の治療に最もエビデンスがあるのは、曝露反応妨害法です。
● 不安障害特に、強迫性障害や広場恐怖を伴うパニック障害に対する高い治療効果があり、
    その中心的技法となっています。心的外傷後ストレス障害(PTSD)の治療にも有効です。

● 下記の手順で進めていきます。
STEP1  曝露する対象を主観的な不安尺度を記入し、不安階層表を作成します。
・強迫行為を止める(曝露する)とどれくらい不安が生じるかを書き込んでいきます。
STEP2  エクスポージャー(曝露)と反応妨害
・階層表の比較的低い対象から曝露していきます。
・曝露することで起こる不安反応から回避行動(手を洗うなど)の妨害
(回避行動をしないこと)を繰り返し、SUDを低下させ、消去させていきます。
 
 
 

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