スキーマ療法
 
 スキーマ療法(schema therapy)は、認知行動療法の発展型であり、精神分析(特に対象関係論)やアタッチメント理論、ゲシュタルト療法などが組み込まれた統合的な認知行動療法アプローチです。

 スキーマとは,「中核信念」とも訳され、その人の認知や長年培われてきた対処行動などを方向づける意識的・無意識的な「核」であり、ほとんどは幼児期から思春期頃までに構築されます。
 幼少期に形成されたネガティブなスキーマに焦点を当て、その成長が健康的ではなかった境界性パーソナリティ障害や自己愛性パーソナリティ障害をはじめとするパーソナリティの問題をケアしていく心理療法として米国のジェフェリー・ヤングによって開発されました。

 現在では、A〜C群に分類される10種のパーソナリティ障害だけでなく、難治性の精神障害や再発を繰り返す精神障害、性格の特性に関わる諸問題に対するアプローチとして幅広く活用されています。さらに、「人とうまく関われない」「何か生きづらい」といった漠然とした心理社会的問題を抱える人に対する有力なアプローチとしても注目されています。(伊藤絵美, 2013)

 ヤングは、スキーマには5つのスキーマ領域からなる18の「早期不適応的スキーマ」があるとしました。「早期不適応的スキーマ」は、人生の早期に形成され、その当初は適応的であったが、その後の人生(生活)において、不適応な反応を引き起こすスキーマをいいます。それは、認知(思考)だけでなく、記憶、感情、身体感覚によって構成されています。

 また、それらのスキーマには、際立ったコーピング スタイル(ストレス対処の仕方)やスキーマモード(不適応なコーピングスタイルをとっている「いま」の状態)があり、幼少期から周囲の環境に応じてパーソナリティ(人格・性格)を形成していきます。こうして強く固まったパーソナリティの問題は、認知行動療法だけでなく、多くの心理療法や薬物療法でさえ、万全なケアができるとは言いがたい状況にあります。

 スキーマ療法は、このような状況やニードから構築された統合的な認知行動療法アプローチです。










 
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